頭痛の検査
頭痛の種類を詳しく問診し、正確な診断を行うことが重要です。頭痛の経験がなかったり、これまでにないひどい頭痛を経験することがある方もいます。このような症状が現れた場合、一度医療機関で検査を受けることが重要です。命にかかわる重大な疾患の兆候がある可能性があります。頭痛が短期間で治まっても、その痛みや頻度が増している場合、医療機関での検査が必要です。頭痛の検査には、MRIとCT検査の2つの種類があります。以下でこれら2つの検査の違いを説明します。
頭部MRI検査
磁気の力を用いて体内を撮影し、その結果を断面画像として得る装置です。この検査は放射線を使用しないため被ばくの心配はありませんが、体内に金属製の物品(例:心臓ペースメーカーやインプラント)がある場合、撮影が制約されることがあります。検査中は強い磁気を発生させる過程で大きな音がします。MRIは柔らかい組織の撮影に向いており、特に脳の検査に適しています。また、脳の血管状態を、造影剤を使用せずに詳細に観察でき、脳梗塞などの疾患の早期発見に役立ちます。さらに、くも膜下出血、脳腫瘍、てんかんなどの病気の診断にも有用です。
頭部CT検査
X線を頭部に照射し、それをコンピューターで処理して頭部の断層画像を生成する装置です。この検査は頭蓋内出血、脳挫傷、脳出血などの脳の疾患を検出するのに役立ち、短時間で完了し、大きな音もしない利点があります。また、硬い組織の撮影に適しており、骨の詳細な観察が可能です。ただし、画像のコントラストが低いため(色の濃淡が識別しづらいため)、通常の組織と異常組織を区別するのが難しい場合もあります。
メリット | デメリット | |
MRI |
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CT |
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髄液検査
腰椎の骨の間に針を挿入し、脳脊髄液を採取し、髄液の圧力、色、成分を検査します。この検査は髄膜炎、脳炎、くも膜下出血などの診断に役立ち、麻酔後に体を丸めていただいた状態で行います。髄液検査が必要な方は、検査後の頭痛や感染のリスクがありますので、設備の整った病院で行う必要があります。
血液検査
炎症反応や感染症(例: 髄膜炎など)の評価、白血球数の確認などの目的で、血液検査が実施されます。血液検査は、画像診断や髄液検査と組み合わせて、正確な診断と適切な治療のために役立つことがあります。また、慢性的な頭痛が持続している場合、甲状腺疾患の可能性を検討するために血液検査が行われることがあります。
片頭痛の診断
片頭痛を診断する際、最も知りたいのは頭痛が起きた状況です。
次のポイントを押さえながら、通常の生活で片頭痛が疑われる頭痛が起きた状況を医師へお伝えください。
どのように痛むか
片頭痛は、通常、片側の頭部、または両側の頭部で脈を打つような痛みが現れ、一定のパターンを持つことが特徴ですが両側に起こることもあります。痛みは通常、4~72時間程度続くことがあります。
痛みの時間経過
- 頭痛が現れたのはいつごろか
- 頭痛が起こる前の前兆はあるか
- どんどん痛くなっているか、
もしくは強い痛みから軽くなっていくのか - その痛みは過去にも経験あるか
痛い場所はどこか
頭痛で痛む場所(側頭部、後頭部、片側性、眼窩近辺・両側性など)を正確に判断するためお伺いします。
ものが見えづらい
片頭痛の前兆として、物が見えづらくなる「閃輝暗点」の症状が現れることがあります。この症状は、急に現れた小さな光の点が徐々に大きく広がり、最終的には視界から消えるというものです。閃輝暗点が出現した場合、片頭痛の可能性が高まります。
肩こりやむくみ
血管の拡張によって引き起こされるのは、片頭痛以外にも肩こりやむくみがあります。肩こりと頭痛は深い関連があり、両方が同時に起こり悩む方も多いです。
頭痛が出たときの様子を
詳しく記録しておくことが
大切
医師に頭痛の状況を詳しく説明することは、より正確な診断につながります。
さらに、持続的な頭痛に苦しむ方は、頭痛がどのようなタイミングで起こり、どのような痛みを伴うかをメモしておくと役立ちます。
片頭痛の原因となるストレス(家庭や仕事など)、睡眠不足などの情報を詳しく伝えることで、痛みの緩和に役立つ可能性が高まります。痛みの状況を医師に伝えることで、正確な診断につながります。